おやつく後記

日常のことなど思いつき

簡潔でストレートなことばを書く

何気なく手にとった吉本ばななさんの本「小説家としての生き方」が面白かった。

 

 

 

 

 

好みの系統が違うので、ばななさんの小説はほぼ読んだことがなく、エッセイの方がまだなじみがあるくらい。だから、なぜこの本を借りようと思ったのか、自分でもよくわからない。でも読んでみて一気に身近に感じた。タイトルには「小説家としての」とあるけれど、内容としては「吉本ばななという一個人としての」という方が近い。魅力的な人だなと思うと同時に、わたしとも共通する考え方があってうれしくなった。

 

 

読み終わった後にふと思った。「小説家でこんな短文のエッセイって珍しくない?」と。文章のジャンルがよく分からないのだけど、エッセイよりも短くて、格言とその解説程度のもの。200字にも満たなそうな文章もある。

 

 

他業種やエッセイストならともかく、小説家がここまで短い文章を書くのは意外と見たことがない。

 

 

それで気づかされたのは、文章ってのは長文だから良いってもんじゃない、ってこと。記者時代は、同じ内容なら短いほど良いというのが当たり前だったのだが、すっかり忘れていた。ブログという場所で字数制限を気にしなくてよくなると、ダラダラ書くようになりがち。内容によってはやっぱり短い方がいい。

 

 

実はこのブログにも公開していない下書きのままの記事がたくさんある。ダラダラと長く、愚痴っぽく、言い訳がましいので、時間をおいて読み直すと我ながら「しょうもない」と思うものが多い。ウツウツとした気分の時に書くことが多いので仕方ないし、それはそれでいいんじゃない、とも思うのだけど、なんでもかんでも公にするのも気が引ける。

 

 

ただの一般人で読者も少ないからといって、自分を甘やかして冗長な文章を書いている限り変わらない。だから、読み手を意識しながら簡潔に、そして同時に読み手を意識せずにストレートなことばをつづりたいと思った。

 

 

 

 

 

 

この本のインタビュー動画をみたら、ばななさん、本の内容とまったく一緒のことをしゃべっていた。「このインタビュー内容を元に本を作ったの? どういうこと?」って混乱するほど内容が一致してるもんだから、何のためにこの動画を撮ったのか謎。

「続きが気になる人は本買ってね」ってことなのかな。わたしにはよく分かりませんでした。

 

 

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