おやつく後記

日常のことなど思いつき

削ぎ切りしてしまった指

包丁で指をそぎ切りしてしまった。

 

痛っ、と思って指を見たら白い部分が見えてる。肉がない。薄くそぎ切りしたらしい。血を見るのが本当にダメなので、流れ落ちないようにとっさに指をくわえた。

 

あまりの恐怖に陥ると、心と体を切り離す自動スイッチが入るので、逆に恐ろしいほどに冷静になった。緊急システム作動。オペレーションメテオ。

 

指先がドクドクと波打つ。このままでは指がそがれた状態で治ってしまう。どうしよ。と考え、まな板に切り落とした肉片を探した。ジャカイモを切っていたので、ジャカイモの皮と混ざっている…見た目が似てるのでよくわからんが、それっぽいのを見つけた。

 

さっきまで自分の一部だったものが、作り物みたいに見える不思議。とめどなくあふれる血をティッシュで押さえ、肉片をかぶせたらあら不思議、出血が止まった。たぶん、そこまで五分もかかっていない。

 

一応、それまで指を心臓より高くして、圧迫していたのでその効果もあると思う。肉片をかぶせたことによる表面張力もあると思うけど。それにしてもよ、こんなに早く止まる?

 

第一関節だったため、指を曲げないように割りばしを添え木にして、マスキングテープで固定し、その上からふんわり絆創膏をはった。しっかり張って肉片が剥がれたら怖いので。

 

その後もしばらくドクドクしていた。これまでだったら、指を高い位置に上げて血が廻らないように圧迫し続けていたのを、今回はやめてみた。出血がひどいなら止めなきゃいけないけど、そうでもない。今は事故現場に救急車が駆けつけている状態みたいなものだとしたら、それを止めちゃいけないんじゃないかなと思って。いま身体の免疫が総動員して緊急オペしてるに違いない。

 

がんばれ、あたしの細胞。

と応援してたら、心なしかドクドクも早く収まった。

 

一日たったいま、絆創膏にはほんのり血がついているが、大した量じゃない。今どうなっているか気になるものの、ビジュアルを直視したらキツイのでもう少しほっとくつもり。

 

そういえば、ジャガイモの皮とあたしの細胞、間違ってないよな? いや大丈夫なはず…