おやつく後記

日常のことなど思いつき

前世・ダンゴムシ

長らく子どもをやってきたけど、最近になって母がかなり変わり者ではないかと思うようになった。話が通じないことが多い。

 

 

わざとイヤミなことをするのではなく、天然でとんでもないことを言ったりやったりする。たとえば、先日はわたしが子どもの頃から大事にしている本で、今は絶版になってプレミアもついてるやつを捨てられた。

 

 

一時的に別の棚に置いていて、そこは母の書類を入れていたのだが、別に母の棚と決まっていた訳ではない。取りやすい場所にあったので、よく読むその本を入れていただけだ。

 

 

母はモノをため込む癖があるので「断捨離しろ」と口すっぱく言っていたら、なんとゴミの中にわたしの本がまぎれていた。びっくりして「わたしの私物を捨てるな。しかも絶版でもう手に入らないのに」というと「だって私の棚にあったから。いらないということでしょ?」という。アナタの本棚じゃないし、仮にそうだとしても捨てても言う理由になるわけないでしょうに。

 

母は別に拗ねて言ってるのではなく、平然とそういうの。どうやったらそんな思考回路になるのかサッパリわからない。

 

 

「これはわたしの大事な本だから捨てないで」と一度は取り出し、また棚に直したら、驚くべきことにまた捨てられたっぽい。「ぽい」というのは、いつの間にかなくなっていたので、何が起こったのか実際は分からない。ただ、小さい家だし盗むような人もおらず、わたしが捨てることは120%ないので、どっからどう考えても母しかいないのだ。

しかも、同じ棚に置いていたこれまたわたしの私物である大事な本がもう一冊消えていた。これは母しかないのだろうとブチ切れたら、「わたしじゃない」という。理由は? と聞くと「覚えてないから」って……そんな理由あるかい! めまいがした。母はもう高齢の域に入るが、ボケてはいない。

 

 

一応、わたしがどこかに置き忘れたのかもと考え、家をひっくり返すレベルで探したがやっぱり見つからない。だから母に間違いない。もう一つ母を疑う理由としては、亡き父が若いころに古本屋で買ったこれまたプレミアモノの漢詩全集一式を勝手に捨てたと聞いたことがある。

 

人が大事にしているプレミア本を平気で捨てるのに、パソコン教室の先生からもらった600円くらいの「スマホの使い方」とかいうムック本は大事にとっておく。

 

 

母は本の価値が分からないどころか、モノの価値が分からない人間だ。

 

 

・一枚板で作られた釘を使っていない机を平気で捨てようとするのに、ニ〇リの数千円の机はガムテープを張ってでも使う。

 

 

・子どものころの話、災害で住めなくなった家から、わたしの思い出の品はひとつも取り出さなかったのに、なぜかボロボロのシンクの引き出しをとってきた。それをモノ入れとして使い、新築を立てた後もそれを持ってきた。別にそれに特別な思い入れがあるわけじゃない。

 

 

・断捨離しなさいというと、幼少期のきょうだいの思い出アルバム一式を捨てようとしたので止めた。

 

 

 

・近所の行事でついた添加物ナシの餅は賞味期限が書かれていないのでいつまでも食べられるといい、「サ〇ウの丸餅」は賞味期限が書かれているので早く食べないといけない、といった。そんなわけあるかっ。

 

 

どれもこれも、わたしが注意したり怒ったりすると「なんで?」みたいな反応をする。まだワザとかいやがらせの方が人間らしい気がするんだけど。。この人どうなっとるねん、サイコパス? と思うことがしばしばある。

 

 

それでひらめいたわけ。「あ、前世ダンゴムシだったんだわ」と。

 

 

たぶん、わたしが前世で道を歩いていて踏みつぶしたのだ。それがなんかの手違いで今世は人間に生まれ変わって、母親になってわたしに復讐しているのだ。前世ダンゴムシだから人間的な感情が薄いんだろう。そりゃ仕方ないわ。

 

 

こう考えたら怒りや戸惑いが緩和された。なんかあっても「ダンゴムシやから仕方ないよな」と生暖かい目で見守れるようになった。

 

 

本人に「前世ダンゴムシやと思うねん」といったら、「ん?」という顔をした後に「よくよく聞いたら腹立ってきたわ」とノホホンとした顔で言っていた。

 

その反応もなんかおかしいんですけどね。まあダンゴムシやからな、仕方ないね。とその場を後にしました。

 

 

虫の絵は苦手なのでテントウムシ

 

 

ちなみにわたしの大事なプレミア本は当時の価格の10倍くらいで買い戻した。くっそー